今回は「バレルの選び方と種類」について、解説します。
- どんなバレルが自分に合っているかわからない方
- ショップの店員さんになかなか聞きにくい人見知りの方
- バレルにどんな種類があるのかがわからないダーツ初心者の方
- 今使っているバレルのカットがツルツルになってきたので買い替えたい中級者の方
そこで今回は、わたしのダーツ歴10年目の知識をもって、「バレルの選び方」と「バレルの種類」を徹底的に解説します。
本記事の執筆者
この記事で分かること
失敗しないダーツバレルの選び方①:投げやすいかどうか
投げやすいかどうかは、とても重要です。
たとえば、投げにくいと、的を大きく外したり、3本のまとまりが悪くなったりします。
投げやすいかどうかは、次の3つの「ない」で決まると考えています。
- バレルがすべらない
- 飛びがバタつかない
- 指にひっかかりすぎない
バレルがすべらない
バレルがすべりやすいと、投げづらいと感じます。
試し投げのときに、
- 刻みが指に吸い付く
- 形がしっかりと指にフィットする
そんな感覚が、投げやすいバレルの特徴です。
飛びがバタつかない
ダーツを投げたときに、空中でフライトがバタつくと、投げづらさを感じます。
また、的に刺さらなかったり、マシンが反応しなかったり、バタついた分だけ、刺さる位置がズレたりもします。
ダーツをバタつかせないためには、次の3つが重要です。
- ダーツに指がかかりすぎないこと
- ダーツを持つときに、重心をとらえること
- ダーツを離すタイミングが、遅くなりすぎないこと
この3つがないと、ダーツを離す瞬間の、「ダーツ全体の姿勢のくずれ」につながります。
たとえば、刻みが指にかかりすぎる、チップに指をひっかけすぎる、重心から離れたところを持っている、ダーツを持ちすぎるとかです。
くずれた姿勢のまま飛んでいくと、空中でバタつく可能性が大きくなってしまいます。
ダーツショップで試し投げをしたときに、
- きれいな弧をえがいて、飛んでいく
- 紙飛行機のように、まっすぐ伸びるように飛んでいく
そんなバレルが、あなたにとって投げやすいバレルと言えます。
指にひっかかりすぎない
バレルの刻みが強すぎると、おもに人差し指か親指のどちらが、ひっかかりすぎます。
指にかかりすぎると、下に落ちたり、横にズレたりすることも。
逆にしっかり指から抜けていくと、ダーツの飛びは良くなります。
たとえば、紙飛行機は、少し上に向かって飛ばすと、より遠くまで飛びますよね。
ダーツを離すときに、しっかりと指から抜けていく。
その感覚が、投げやすいバレルの証拠です。
失敗しないダーツバレルの選び方②:フォームとイメージに合うか
自分のダーツを投げるときの飛びのイメージと、実際にバレルを投げたときの飛びは、合っている方が良いです。
たとえば以下のような飛びのイメージがあります。
- まっすぐ、直線的な飛び
- 山なりに、曲線をえがく飛び
ビュンっと腕を振って、一直線に飛ばしたいのに、山なりになってしまうと、まっすぐ飛ばそうとして、力が入ります。
自分のフォームやイメージに合うバレルを選ぶのが、失敗しないコツです。
失敗しないダーツバレルの選び方③:デザインが気にいるかどうか
見た目がかっこいいか、おしゃれか、大人か、高級感があるか。
デザインが良いかどうかは、とても重要ですよね。
たとえば、村松治樹プロモデルの「ライジングサン 4.0 47」は、クロームコーティングがされているので、光沢がとても良いです。
見た目が良いと、投げるときのテンションも変わってきます。
レビュー記事については下記をご覧ください。
>>【ダーツ ライジングサン4.0 47 レビュー】村松治樹選手【曲線美のバレル】
大和久明彦プロモデルの「エフォール2」は黒をベースとして、ワンポイントでゴールドが入っています。
大人の上品さと、高級感があります。
こちらのバレルもレビュー記事を書いています。
>>【ダーツバレル エフォール2 レビュー】大和久明彦選手【超繊細なカットが魅力】
星野光正選手モデルの「パイロG7」は、ブラックコーティングで、デザインカットが絶妙に刻まれています。
レビュー記事についてはこちらです。
>>【ダーツバレル ターゲット パイロG7 レビュー】星野光正選手 最新セッティング
このように、プロモデルは、デザインにもこだわっているところが、非常に魅力的です。
おすすめのバレルについては、こちらの記事「中級者おすすめダーツバレル17選【36種類以上を投げ込んで激選】」をどうぞ。
ダーツバレルの種類①【トルピード・ストレート・その他の形状】
バレルには様々な形がありますが、「トルピード」と「ストレート」だけでも覚えておけばOKです。
トルピード
ふくらみやくぼみのある形が特徴。
太くなっている位置は、前半やセンターが多いです。
このふくらみやくぼみが目印となるので、ダーツをもつ場所に迷いにくいということが特徴となっています。
そして、ダーツを押し出しやすいので、力を伝えやすい、飛ばしやすいバレルと言えます。
重心はセンターか、やや前よりが多いです。
投げた瞬間、いったん上に飛んで、下に落ちる感覚です。
ストレート
ふくらみやくぼみのない、棒のような形が特徴。
カット以外の凹凸の目印が少ないので、どこを持てば良いかがわかりにくいです。
また、重心をとらえにくいので、空中でバタつくことがあります。
たとえば、バレルの真ん中が重心だったときに、バレルの後ろの部分を持って投げたりすると、空中の姿勢が崩れやすいことも。
とはいえ、しっかり飛ばすことができれば、ダーツの軌道は山の低い弧を描いて飛びます。
動画はストレートバレル(桜花爛漫 岩田夏海選手モデル)です。
ストレートバレルは、的に向かって伸びるように飛ぶことによって、コントロール力を高めやすく、グルーピングしやすいのがポイントとなっています。
桜花爛漫のレビュー記事については、下記をご覧ください。
>>【ダーツバレル 岩田夏海選手モデル 桜花爛漫 レビュー】コスモダーツ
その他の形状
「ストレート」、「トルピード」以外にも細かくわけると、以下のような形状があります。
砲弾(バレット)
トルピードをさらに太くして、短くしたような形が特徴。
太いので、グルーピングしたときに弾かれやすいです。
しかし、前が重たくなっており、重心をとらえやすいので、飛ばしやすいバレルとなっています。
スタンダード(ひし型)
バレルのセンターが太くなっている、ひし形の形が特徴です。
トルピードは前重心やセンター重心、スタンダードはセンター重心が多いという印象です。
逆トルピード
トルピードの重心と最大径が前なのに対して、逆トルピードの重心と最大径は後ろです。
ダーツバレルの種類②【素材はタングステンが主流】
素材についても様々なものがありますが、「タングステン」と「ブラス」を覚えておけばOKです。
タングステン
バレルに使われる、もっとも一般的な素材です。
タングステンは、鉄よりも2.5倍重たい金属です。
タングステンの入っている量は、バレルによってちがい、約70%〜95%入っています。
この割合が高ければ高いほど、重くかつ、細くすることが可能です。
とはいえ、素材の値段が高いので、パーセンテージが高いほど、バレルの値段も上がる傾向にあります。
プロモデルはタングステン90%、95%のバレルを使用していることが多いです。
ブラス
ダーツバーや、ネットカフェで借りれるような、ハウスダーツ(黄色っぽいバレル)が、この素材でできています。
サックスなどの、管楽器でよく使われる素材です。
ブラスバンドってよく言いますよね^^
ブラスは、タングステンよりも軽い素材です。
軽いと、一般的には飛ばしにくいので、的に刺さりにくかったり、空中でダーツがバタつくことがあります。
逆に、「しっかり投げて飛ばす練習」にはなります。
ステンレス
ブラスよりも、さらに軽い素材です。
ステンレス性のバレルは、軽すぎて全然飛びません。
ブラス以上に飛ばす練習になるので、家で練習する用には良いかもしれません。
そして、軽いので、ダーツボードに当たったときの音が小さいのが特徴です。
飛ばすのがとにかく難しいので、初心者の方が買うのには、オススメしません。
ダーツバレルの種類③【カット(表面のきざみ)はグリップ力を決める】
バレル表面のカット(きざみ)によって、すべりづらさ、押し出しやすさ、ダーツの離すときの抜けやすさが変わるので、選ぶときに必ず注意したいポイントです。
リングカット
横から見たときに、デコボコの溝が入っているカットです。
逆に溝が浅く、幅が広いほど、指にかかりにくいのが特徴です。
マイクロカット、マイクログルーヴ
細かい刻みが特徴。
ノーカット、ノーグルーブ
刻みがない、ツルツルの状態です。
しっかりと指をしっとりさせた上で、指に吸い付かせることで、下のような伸びるような飛びも可能です。
バレル詳細レビュー記事については、下記をご覧ください。
>>【ダーツバレル ジョーカードライバー マキシム クリスタル タビー レビュー】
シャークカット
ギザギザのカットです。
指へのかかりは非常に強く、押し出しやすい刻みとなっています。
ウイングカット
シャークカットに似ていますが、シャークカットよりも指へのかかりはソフトです。
トライアングル・デルタカット
三角形のカットです。
最近のプロモデルでは写真のように、他のカットと組み合わせて入っているものを、よく見ます。
ピクセルカット
ポコっとした、穴のようなくぼみが特徴のカットです。
ストーンカット・サンドブラスト加工
「ザラザラした石のような肌触り」が特徴です。
ダイヤモンドカット、ローレット加工
「斜めにクロスした溝」が入っている刻みです。
ネットカフェやダーツバーで借りれる、ハウスダーツによく見るカットとなっています。
指へのかかりは、そこまで感じません。
各カットの、指へのかかりをまとめてみました。
刻みの種類 | 指へのかかり (強い⭐️6~弱い⭐️1) |
シャークカット | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ |
ウイングカット | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️☆ |
トライアングルカット デルタカット | ⭐️⭐️⭐️⭐️☆☆ |
ピクセルカット | ⭐️⭐️⭐️☆☆☆ |
リングカット | ⭐️⭐️⭐️☆☆☆ |
ダイヤモンドカット ローレット加工 | ⭐️⭐️☆☆☆☆ |
マイクロカット | ⭐️⭐️☆☆☆☆ |
ストーンカット サンドブラスト加工 | ⭐️⭐️☆☆☆☆ |
ノーカット ノーグルーブ | ⭐️☆☆☆☆☆ |
カット別 指へのかかり比較表
ダーツバレルの種類④【先端のチップの規格は間違えやすいので注意】
バレルの規格によって、使うチップの種類が変わります。
2BA(ツービーエー)
もっとも一般的な規格です。
バレルが雌ねじとなっていて、チップが雄ねじです。
No.5(ナンバーファイブ)
2BAよりも、ネジの部分が細いです。
バレルの先端が細いと、2本目、3本目がグルーピングしたときに、はじかれにくいというメリットがあります。
4BA(フォービーエー)
「アキュート」とも言われいます。
バレルが雄ねじになっていて、チップが雌ねじです。
ハードダーツで人気の規格です。
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ハウスダーツの規格となっています。
ダーツバレルの種類⑤【重心は飛びを大きく変える】
重心には大きく分けて、3つの種類があります。
- 前重心(フロント)
- 後ろ重心(リア)
- 中心(センター重心)
前重心(フロント)
前重心は、ダーツを離した瞬間、おじぎをします。
前が重たいことで、前に回転しようとする力が加わるからです。
たとえば、自転車のカゴに荷物をたくさん入れて、前のタイヤを急ブレーキをしたときに、前につんのめりそうになりますよね。
そして、フライトの空気抵抗によって、スピードが落ちて下に落ちます。
したがって、上に向かって飛ばす意識が必要です。
ダーツの軌道は、上に飛ばして下に落ちる、山なりのイメージです。
後ろ重心(リア)
後ろ重心は、ダーツを離した瞬間、空を見上げます。
後ろが重たいことによって、後ろに回転しようとするからです。
そして、フライトが飛行機でいうと「ツバサの役割」をして、上に飛ぼうとします。
なので、投げた瞬間は上に飛んでいき、下に落ちていく。
飛びは「放物線をえがいて飛ぶ」イメージです。
中心(センター重心)
バランスが良く、投げた瞬間のダーツの姿勢がくずれにくいです。
なので、フライトの空気抵抗が少なく、比較的まっすぐスナオに飛んでくれます。
多くのプロモデルが、センター重心となっています。
ダーツバレルの種類⑥【長さはミドルがおすすめ】
長さには大きく分けて、3つの種類があります。
- ショートバレル:35mm以下
- ミドルバレル:36〜44mm前後
- ロングバレル:45mm以上
最近のプロモデルのバレルは、40〜50mmが多いです。
ショートバレル
ショートバレルは、初心者の方におすすめするバレルです。
そのため、持つ場所に迷いにくい、重心をとらえなくても飛ばしやすいバレルです。
手の小さいひと、2本の指で投げる人にも合っています。
デメリットは太いことによって、グルーピングしにくいという点です。
ロングバレル
ロングバレルは、中級者から上級者の方向けのバレルとなっています。
空中でバタついたり、ダーツボードにささりにくかったりします。
とはいえ、しっかり投げることができれば、紙飛行機のように、遠くまで伸びるような飛びがうまれます。
手の大きいひと、4本の指で投げる人にもおすすめです。
ミドルバレル
ミドルバレルは、初心者から中級者以上の方に幅広くおすすめするバレルとなっています。
自分に何が合うかわからないときは、まずは40ミリ前後のミドルバレルを試しに投げてみてください。
投げにくいと感じたら、ショートバレルを投げてみる。
そして、ロングバレルを確かめてみるのが、おすすめです^^
ダーツバレルの種類⑦【重さはできれば軽めが良い】
バレルの重さは一般的に以下のように分けられます。
- 軽いバレル:17g以下
- 重いバレル20g以上
- 中間の重さ17〜20g
軽いバレルは、放物線を描いて飛ばすイメージの方におすすめです。
重いバレルと比べると、投げるときの遠心力が少ないので、山なりになりやすいからです。
逆に重いバレルは、飛びが鋭くなりやすいです。
たとえば、ふわふわに丸めた乾いた軽いティッシュと、濡れて重たくなったティッシュを丸めたものでは、おなじようにゴミ箱に投げても、軌道が全然ちがいますよね。
また、軽いバレルは初心者・中級者の方にもおすすめです。
理由は以下の3つです。
- しっかり飛ばす練習になる
- 長時間投げていても疲れにくい
- ダーツの軌道をイメージしやすい
軽いバレルについては、下記でさらに詳しく深堀りしています。
>>軽いバレルは圧倒的メリットあり【ダーツスキルが上がる3つの理由】
重めが良いと思うかたでも17〜18g程度にしておくのが、ダーツ上達のコツだと考えています。
その一方で、20g以上の重いバレルは、最近とくに人気です。
ツイッターでも、20g以上のバレルを使っている人が全体の3割以上という投票結果も出ています。
みなさんがバレルをもったときに、重いと感じる重さって、何グラムからですか?
— ふれっど🎯元ダーツプロ【人生にダーツという彩りを。バレルというスパイスを】 (@fredchic_s) December 4, 2020
わたしはバレル単体で、20gくらいから重いと感じます。
ちなみにショップを調べると、こんな感じです。
TiTO17g〜
ハイブ22g〜
マキシム20g〜
エスダーツ16.6g〜
👇RTご協力よろしくお願いします😆
ダーツの重さについては、下記でさらに詳しく記事を書いています。
>>【必見】バレルの重さはダーツスキルを左右する【知らないと損です】
ダーツバレルの種類⑧【最大径・太さは持ちやすさが変わる】
最大径は、バレルの一番太い部分の直径のことです。
- 最大径が細いバレル:6.5mm以下
- 最大径が太いバレル:7.5mm以上
- 中間の太さのバレル:6.5〜7.5mm
初心者、中級者のかたで、ダーツの持つ場所にいつもまよったり、バラバラになってしまう方には、太いバレルがおすすめです。
たとえば、ペットボトルジュースの「ファ○タ」は形がくびれていて、持ちやすいですよね。
中級者や上級者の方で、投げた2本目、3本目が、よくバレルにぶつかる人は、細めのバレルを選んだ方が良いです。
こちらが3密状態のバレル「パイロ ストレート」。
最大径は6.6mmで、星野光正プロモデルです。
レビュー記事を書いていますので、興味がある方はぜひのぞいてみてください。
>>【ダーツバレル パイロストレート レビュー】星野光正選手【衝撃の飛びと抜け感】
また、最大径(最大太さ)が7mm以下になってくると、バレル表面のふくらみやくぼみを感じなくなってくるので、トルピードでも、ストレートバレルを投げているような感覚になります。
たとえば、鈴木未来プロモデルのバレル「ザ ミラクル ジェネレーション2」はトルピードバレルですが、最大径7mmで、ほぼストレートのような形状をしています。
レビュー記事については下記をご覧ください
>>【ダーツバレル ターゲット ザ・ミラクルG2 レビュー】鈴木未来選手【軽やかに飛ぶバレル】
最近のプロモデルのバレルの最大径は、6.6〜7.8mmが多いです。
ストレートは6.6mm、トルピードは7〜7.8mmが主流となっています。
ダーツバレルの種類と選び方のまとめ
今回は「バレルの選び方と種類」について、お話しました。
まとめると以下のとおりです。
失敗しないダーツバレルの選び方のポイント
- 形状・デザイン
- 投げやすいかどうか
- 自分の飛びのイメージと実際の飛びが合うかどうか
バレルの種類のポイント
- トルピードは飛ばしやすい
- ストレートはしっかり飛ばすことができれば、伸びとグルーピングが魅力
- 素材はタングステンが主流
- カット(表面のきざみ)はグリップ力を決める
- 重心は飛びを大きく変える
- 長さはバランスのよいミドルがおすすめ
- 重さは中間から軽めがおすすめ
- 最大径(太さ)は持ちやすさが変わる
- ソフトダーツの規格に迷ったら「2BA」
この記事があなたのバレル選びに、少しでもお役に立てたらうれしいです^^
記事が気に入っていただけたら、ブックマークしていただいて、試し投げに行く直前や、ショップの中でも見ながら選んでいただけたらと思います。
それでもどれを選べばよいかがわからない方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
>>中級者おすすめダーツバレル17選【36種類以上を投げ込んで激選】
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